ギゲン歳時記

四季折々の出来ごと日記

イカの街

昭和50年代、函館の朝の食卓に、イカ刺しがあった。

あの頃は、早朝6時半頃「イガーイガー」と魚の行商人の車の拡声器の音が合図で、

「あ!イガだー」買ってくるから朝イカ作って食べようって、行商の車を追う

1000円も払えば4~5杯が買えた時代でしたし、よくイカ釣りの趣味の知人からイカ

貰い物のもあった時代です。(イカ食べるのに苦労したことはない程もらえた)

その他の料理として、イカと大根の煮付けも美味い(イカはげその部分使用)

話はそれましたが、朝のイカ刺しは大根おろしと生姜をすってイカ刺しの上にのせて

醤油をかけて、白いご飯の上にたっぷりのせていただく身のすきとった活きの良い

ものでした。

イカの街ならでわの、ものでしたしイカも大漁の時代、なつかしく思えます。

イカについて、ここでサカナ研究所のリサーチによれば、

日本人にとって馴染深いイカの、一つでもある「スルメイカ」しかしここ数年は、記録

的な不漁が続きピンチを迎えています。

スルメイカ漁獲は5年で,3分の1に、細く切った「イカソーメン」の爽やか味わいは

まさに、季節の味わいです。

2020年のスルメイカ夏漁も各地で解禁され始めており、全国屈指のスルメイカ水揚

げを、朝市の「イカ釣り掘り」で有名な函館でも6月2日に解禁となった、しかし初日

の水揚げは歴史的、不漁だったし昨年と並ぶ1.4トンと低調ここ数年の不調を反映

するような滑り出しとなりました。これは函館だけでなく全国的に不漁が続いています

2013年は17万トンあった漁獲量は、2018年5万トンを下回り、5年で実に

3分の1以下になってしましました。

スルメイカ不漁の理由

スルメイカの生態については不明な点が多く、様々な研究が続けられています。

現在続く不良の原因についても、様々な説が発表されていますが、その中でも有力と

されているのが、水温など海の環境がイカのふ化や生育に適さなっかったと言うもの、

日本近海のスルメイカが産卵を行う東シナ海沖の海域の水温が低い状態が続き、孵化

した、幼イカがきちんと育たないため、回遊するイカの量が減ってしまった可能性

があるとしています。

③流通量少ないのに、価格低落も

様々な理由で、不漁が続くスルメイカ漁ですが、水揚げ後もネガティブな現状がある

通常、不漁の時は、魚価は向上することが多く、実際に昨年の不漁では卸値の向上も

見られたが、今年はコロナによる魚価低下のあおりを受けてしまい、流通が少ないの

にもかかわらず、卸値が昨年の半値以下になっているようです。このグラフも年々

漁獲量が減り、価格も高値になっています。(今年は特別な安い価格です)

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ここ数年、イカは函館の食卓から少しづつ減り「イガーイガー」の声も聴くことは

なくなりました。

時代とともに、イカの街はさみしくなって来ています。今年は何回イカ刺しを

食べたか、価格もさることながら2~3回だと思います。

イカ刺しについては、函館人の口は肥えています。スーパーなどでは、中々活きのいい

ものがなく満足が出来ない様ですし、函館では以前より市場が多くあり調達していたが

(その市場も、大手スパーによって閉鎖も多くなってきていますが!)昔的に言うと

まずは、朝市ここは今は観光客向けオンリー状態ですが、40年前には市民の市場で

イカも鮭も野菜も活きがよく、ここで買っていました。

その後は、自由市場に替わって行き、市民が行くようになっていきます。

ここ自由市場は、もともと市内の鮨店や料亭も抱える高級市場でした。

市民もその味を求め来場して、繁盛しています。

今では、古くからの庶民の見方、中島蓮売も元気に少ない店で、頑張っています。

イカの街にはこの市場の人々のお陰もあり新鮮なものが食べれたものと感謝しています

そして、イカの旨さ(こりこりの美味しさ)は頭から離れません。

ここ数年は、イカに替わり「ブリ」が大量に揚がるようになったようですが、地元の人

にはなじみが薄く、人気も今一つとの事しかしこれから漁獲量が、全国3位の水揚げ

巷ではこれを機会に、新たな食材としてブリかつ等、工夫してイカとともに消費拡大

を目指しています。

お店でも、加工力を見せて新しい函館名物を、市民も期待している所です。

イカがいかに函館市民のソールフードかわかって戴ければ幸いです。

イカはまだあります。透き通った活きのいいイカが、食べに来てくださいませ!

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